アジア杯と力道山

2004年8月8日
終戦後、日本は空前のプロレスブームだった。

ことは、ほぼ誰でもご存知だろう。

アジア杯の中国サポーターを見ていると、力道山に歓声を上げる日本人(特にしがないサラリーマン)を重ね合わせる。

日本は戦争に負け、アメリカに敵愾心がむき出しだった。
そんな中、力道山はヒーローになった。

日本人が、体のでかいアメリカ人レスラーを空手チョップで滅多打ちにしてKO・・・。
さぞかし、当時の日本人の(おそらく多くの)男性にとっては、興奮を覚えたに違いない。
そして、戦友だったり、友達を失った悲しみを、外国人レスラーにぶつけ、力道山と一緒に雄たけびを上げた・・・。

中国のあれは、まさしくそれではないのか。

今でも日本はアジアでは「信用の置けない」国として存在するし(集団買春問題だとか、大学生の性的寸劇問題とか)、その中においてはまだ「戦争」が残っているのではないか。
日本でも、未だに核爆弾という部分等において戦後は終わっていないが、中国も同じようなところにあるのだろう。

だからこそ、あそこまでのブーイングではないのか。

そして、日本のチームが強いことを、一番知っているのは、中国の人間だろう。アジアの一員として、共にワールドカップやオリンピック予選を戦っているのだから。

だからこその、あのブーイング。

我々は、もっと大人にクールに、あのブーイングをさらりとかわさないといけない。
もっとも、「日本中国友好」と書いた横断幕を張った日本人がいたが、あまりにもか弱い主張だったのが残念で、もしあれがもっと大きいもので、かつ「中国日本友好」など、中国を先に書いたり、さらには日本の旗(国旗ではないと思っているので、こう書く)に書くよりも、普通の布に書くべきだった。
大人の対応を日本ですることが何よりも大事なのではないか、と感じる。

力道山は、日本人の暴漢の手によって亡くなった。
(ちなみに、その暴漢の娘は今、女子レスラーになっている。)

中国の人民は、果たしてどうなっていくのだろうか。

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